大規模ミディトマト農家が教える【甘い】ミディトマト3選

バイオファームで収穫されたミディトマトの写真

野菜なのに甘い、まるでフルーツのようなトマト。ミニトマトでは物足りないけど、大玉トマトだと大きすぎる。
ここでは、手ごろなサイズなのに甘い、市販されている「ミディトマト」の品種をお伝えします。

ミディトマトとは

トマトは、実の重さによって3種類に分けられます。
重さが150g以上のものを大玉トマト、40g以下のものをミニトマト(小玉トマト)と言い、その中間の、重さが40g~150gのものを「ミディトマト(中玉トマト)」と言います。

甘さと糖度の関係

「糖度が高い」=「甘い」と考えている人もいるかもしれませんが、実は違います。例えば、一般的なレモンとイチゴの糖度は、どちらも7度~8度と言われています。しかし、イチゴは生で食べても甘いですが、レモンの丸かじりは酸っぱいですよね?
これは、レモンには通常、「クエン酸」や「ビタミンC(アスコルビン酸)」と呼ばれる「酸」が豊富に入っており、人間は酸を酸っぱいと感じるので、甘さより酸っぱさが勝ってしまうから、らしいです。
つまり、「酸より糖が沢山入っているほど、人間は甘さを感じる」ということです。

画面いっぱいのいちご

画面いっぱいのレモン

甘いミディトマト

では、市販されているミディトマトの中で、どれが最も甘い(酸より糖が多い)のかを見ていきたいと思います。中山間農業研究所の試験研究部が実施した試験結果と、平成 27 年度の優良品種等導入対策試験調査を参考に、「シンディースイート」「ドルチェ」「フルティカトマト」の三種類を比較してみます。

シンディースイート

糖酸比(酸に比べて糖がどれだけ入っているか)が最も高い品種。つまり、3品種の中では最も甘い品種です。しかし、糖度と酸度の相関係数が3品種の中で最も低いというデータもあります。なので、1パックの中で、甘い実とそこまで甘くない実が混在している可能性があります。また、月別糖酸比にもばらつきがあり、時期によってはそこまで甘くないかもしれません。9月頃に店頭に並んでいるものが、最も甘そうです。

ドルチェ

糖度と酸度の相関係数が最も高い品種です。1パックの中で、甘さのばらつきは最も少ないと言えるでしょう。糖酸比はシンディースイートとほぼ同じですが、月別糖酸比が3品種の中で最も大きく変化する品種でもあります。8月頃に購入すると、最も甘いでしょう。

フルティカトマト

月別糖酸比にほとんど変化がない、つまり年中通して甘いといえる品種です。糖酸比は12~15が最も糖度と酸度のバランスが良いと言われているのですが、フルティカトマトは常にほぼ15を維持しています。糖度と酸度の相関係数もシンディースイートより高く、1パックの中の甘さのばらつきも少ないでしょう。
また、信州バイオファームでは、ビニールハウスを使用した有機栽培により、通年でのフルティカトマトの通販も行っています。

バイオファームで収穫されたミディトマトの写真

まとめ

以上が、現在スーパー等で市販されているミディトマトの、甘さに注目した品種別の紹介でした。最も甘いのは「9月頃に店頭に並んでいるシンディースイート」、パックの中の実が均等に甘いのは「8月頃に店頭に並んでいるドルチェ」、通年通してバランスの良い甘さを楽しみたいなら「フルティカトマト」という結果になりましたね。
野菜もフルーツもお菓子も、「糖度が高ければ甘い」「甘ければおいしい」というわけではありません。甘さと酸っぱさのバランスが良く、自分がおいしいと思う食品を、見つけていきたいですね。